いい色~ その4
16世紀のヴェネチアの大画家チチアーノは、人間の生身の肌を表現しえたということで賞賛をうけたといわれますが、彼の描いた美しい女性像の肌色も、現実の肌というよりは、理想化された肌色であり、近代のレアリストの画家が描いた肌色でさえも、実際の肌色よりかなり美化されていることは間違いない。
写真、映画、テレビなどが、色再現技術を獲得した時にも、再現された色を評価する場合の規準はやはり人間の肌の色、特に顔色でした。
総天然色映画をうたい文句とした初期の色彩映では、登場人物が妙に赤い顔色をしていたのが、どうにも不自然に感じられたが、照明光の色、メークアップ材料の色の研究とともに、その基礎となる肌色の研究も進められ多くの肌色データが集められたのです。